モンブランが心の故郷
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~女性クライマー垂直岩壁をゆく~
再放送なのだろう。地球ドラマチックが放送されていた。久しぶりに感動するドキュメンタリー番組だった。若い頃、山に登っていた私はいまだに山の魅力に惹かれている。不摂生がたたって登山をするだけの体力、気力を失ったが、ぶらり旅をすると山の風景を見たい、写真を撮りたいという欲求が湧いてくる。
番組は今年51歳になる女性の山への憧憬と静かな情熱を沸々と感じさせる内容だった。カトリーヌ・デスティヴェルCatherine Destivelleというアルジェリア生まれの登山家、ロッククライミングの女王だ。父親の勧めがあって小さい頃から木登り、橋や建物に登った。怪我をするから、危ないからとは決していわない父親だった。登ることが大好きな少女として育った。
彼女は若い頃は単独登攀しかしなかった。ひとりで登るのが好きだったからだ。登攀技術を学んだこともない。岸壁に挑む・・・という思いもなかった。ただ楽しむために登った。本能で登ってきたという。モンブラン、アイガー、マッターホルン、グランドジョラスの峰を制覇し、ヨーロッパの登山史に残る偉業を達成した。そして何年か前からは、1人ではなく、誰かと一緒に登る楽しみを見つけたという。
そんな彼女が家族や公私のパートナーと登攀する。三回にわたって密着取材したのが今夜の番組だった。以下は番組の案内から引用した。
「アルプス山脈の最高峰・モンブラン(4810.9メートル)の垂直岩壁を登はんするカトリーヌの姿を、ハイビジョンの息を飲むような映像で記録。カトリーヌにとって、思い入れがある北ろくからの3つのルートに、人生と深くかかわるパートナーたちと挑んだ特別な旅だ。スケール感と機動性に富むカメラワークは、観(み)る者に垂直岩壁の登はんを疑似体験させる。山に挑むことで時代を切り開いてきた、ひとりの女性の内面に迫る。」
いちばん感動したのは、1927年に山岳登山隊がマリア像を設置した山に登る途中のピークに、一緒に登った妹と並んで立った姿だ。そして、長年の友人二人と雪の岸壁を登攀し、頂上で一緒に登った歓びを分かち合うシーンに感激した。そのとき彼女は46歳。友人は68歳と72歳だった。女も男もない登山家の友情、命を支えあう信頼がある。そんな山の仲間を持っている彼らを尊敬する。
