女と男(3) 男が消える?
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今夜は、やがて消えゆく男のさだめを報告している。例によってメモしておく。
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人類が消える?
性染色体はXとYの二つで、父親からY染色体を受け継ぐと男の子が生まれる。Y染色体は何万回となくコピーさていく間に、ミスが起きたり、突然変異が起きたりする。そうすると遺伝子は傷つき機能を失ってしまう。Y染色体は一本しかないため壊れた遺伝子を修復することができない。 性を決めるY染色体が、早ければすぐに、遅くとも5百万年後には消滅するという研究者がいる。 哺乳類は、胎盤で赤ちゃんを育てる。Y染色体を持つオスがいないと胎盤を作れない。だから雌だけでは赤ちゃんを作れない。 Y染色体によって性を決める仕組みは1億6千6百万年前頃にできたと考えられている。その仕組みこそが人類滅亡への道を決めたといえる。
Y染色体を失った謎の哺乳類
奄美大島と徳之島に生息するトゲネズミにY染色体がない。ところが子供を作ることができる。 精子を作る遺伝子がほかの染色体に移った。オスを決めるSRY遺伝子は完全に失われている。ほかの染色体にSRYと同じ働きをする遺伝子が突然変異によって誕生したのではないかと考えられている。
危機に立つ男
男性の精子が弱ってきている。精子の85%に異常がある。しかも、ちゃんとした泳ぎができるのは3~4割しかいない。1ccあたりの精子の数が2000万個以下だと不妊、4000万個以下では不妊予備軍とみなされる。 デンマークでは20%の人が不妊で、不妊予備軍も含めると40%になる。日本のデータもチェックされ、精子の濃度はデンマークと変わらないと報告されている。 同じ霊長類でもサルの場合は乱交が基本のため静止画競争する仕組み。しかし子育てのために一夫一妻制を選んだヒトには、質の高い精子を受け取って次世代に伝える仕組みがない。 一方、フィンランドでは5年の間に精子の濃度が27%も下がっていたことが分った。一夫一妻では説明できない。 「男性は危機に直面している。将来の危機ではなく、いますでにある危機です。Y染色体の衰退や精子の劣化など、精子の悪化は今後も続く」デンマーク国立研究所
生殖補助技術
昨年夏に30歳を迎えたルイーズ・ブラウンさん。世界で始めて体外受精で生まれた人物、試験管ベビーだ。 1992年、精子の運動能力がない男性でも授精できるという画期的な技術、顕微授精が開発された。たった一個の精子さえあれば子供が作れるようになった。 しかし、こうした生殖技術に頼ると、精子への競争圧力がまったくかからず、精子の競争能力はさらに落ち、質の劣化は避けられなくなる。 人口を維持するために生殖技術が不可欠となっている国もある。精子の質の低下が懸念されているデンマークである。国立病院が、1980年からの20歳女性の出生率を調べた結果、全体では横ばいだが、自然な妊娠での出生率は減っている。 つまり生殖医療による出産が増え続けており、人口の減少を食い止めているということだ。デンマークでは、14人に一人が生殖技術で生まれている。 2005年イタリアで、生殖医療を規制する法律が成立した。その背景には生殖医療に反対するバチカンの強い意向が働いた。生殖医療が、社会のもっとも基本となる家族を壊すと訴えた。 「人間は自らの限界を受け入れるべきです。人間がすべての欲求を満足させることができるなどと考えること事態が間違っているのです」 ローマ法王庁生命科学アカデミー所長 エリオ・スグレッチャ神父
精子バンクビジネス
カップルの不妊治療のために開発された技術が、当初全く想定していなかったことに利用されはじめている。 「子作りに男性は必要ない」と考える女性向けのビジネスが急速に成長している。
